竣工後20年が経過し3人の子供が独立したことをきっかけとした戸建て住宅の改修。

子供室の間仕切りを兼ねていた造作ベッドや収納を解体し、主寝室や在宅ワークのための書斎を整えました。

新しい寝室は眠るだけには広いもののベッド脇にソファなど沖家具を追加するには手狭だったことから、ウールカーペット敷きの基壇上にマットレスを並べるスタイルとし、ベッドでもあり、ソファでもあり、小座敷のようなしつらえを提案しました。三方からアクセスしやすくすると共に、寝室専用の洗面トイレのほか、天井吊のプロジェクター、スクリーンなども新設し、将来身体を動かしにくくなったとしても、居心地良く楽しく暮らせる場としての備えが整いました。

これまで寝室だった最上階は和紙畳を置き敷きし、子供と孫たちのためのスペースとなりました。

書斎は在宅ワークやオンライン会議対応を想定した遮音・照度・ピンナップボードを備えつつ、住まいの一角としての連続感を保つことを大事にしています。

手すりの追加、照明や衛生機器の更新のほか、外周部の壁や天井の断熱補強として断熱材や内窓の追加、カーテンの仕様変更のほか、南面し空調負荷の高かったところにはバッファーゾーンと小空間用エアコン「ココタス」を増設することで、住戸全体の温熱環境を改善しました。

間仕切り建具や陶器の手洗いや鏡などのパーツは移設再利用し、新築時からの雰囲気も大事にしながら、時間経過、ライフタイルの変化に寄り添った改修です。