House of Izusan
伊豆山の家

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Floor Area:
Completed:
Architects:
Asst.Architects:
Structural Eng.:
Constructor:
Photo:

Shizuoka
a weekend house
448.15㎡
120.11㎡
128.85㎡
Apr. 2011
Chika Kijima
Naoki Hirai
金箱構造設計事務所
大同工業株式会社
上田宏建築写真事務所

Publication
『L4 Housing Design 3』A&C Publishing 2013 /KOREA

Description

敷地は東と南に相模湾・初島・大島を望む傾斜地で、空や海そして周囲の緑豊かな山は四季折々に雄大な自然の美しさや変化の豊かさを期待させるものでしたが、人の手による大規模なひな壇造成や周囲の家々は、恵まれた環境の魅力を増幅させることに寄与しているようには感じられませんでした。

そこで自然の脅威から守られる安心感の下で、建築が介在するからこそ自然との接点を改めて意識し、より一層雄大で美しい自然の眺望を楽しむことができる輪郭、屋外で直接体感するのとは異なる場の設えを検討しました。

三角形の平面形状と配置は、二方向の海を視界に納めるとともに、地山に寄り添いつつ、敷地境界や隣接する建物や擁壁にとらわれずに伸びやかな広がりを最大限に拡張する補助線となる方向を導き出しました。

スペイン瓦の勾配屋根には、製品素材のもつ重量感やある種のラフさによって隣接する5mのコンクリート擁壁の土木スケールに対峙しつつ、シンプルな幾何学形態の持つ抽象性が土木と建築の間を取り持つ効果を期待しました。

片流れの外観形状は、将来的に周囲の区画に住宅が立ち並んだ時、それぞれが自己の室内からの眺望を取り合うだけではなく、互いに隙間を残しあうことでエリア全体のあちこちで眺望を楽しむ建ち方の可能性を提起しています。

キッチンを中心にダイニング~テラス~寝室にまたがって伸びる黒いカウンターベンチの帯には、自然を室内から眺める景色としての存在に留まらせず、住宅内でのアクティビティを屋外へといざなう機能を担わせました。具体的にはテラス周りでは屋外キッチンカウンターとなり、ダイニングや寝室では縁台のようなベンチのようなものとなることで、屋内外にわたって、食事をつくったり、腰かけたり、寝そべったり、物を飾るなどの行為を支えます。

©2021 Chika Kijima