Site:
Program:
Site Area:
Building Area:
Floor Area:
Completed:
Architects:
Co.Architects:
Structural Eng.:
Constructor:
Photo:
Nagano
a weekend house
1027.71㎡
19.81㎡
19.81㎡
December.2023
Chika Kijima
Shota Taniguchi
正木構造研究所
第一建設株式会社
上田宏建築写真事務所
Description
一期工事から6年後、コロナを経て都市と郊外の複数に拠点を持つ生活スタイルが浸透し活用機会も増え、また結婚し孫も生まれた子世帯と共に年に幾度か集う場としても手狭になり、20㎡程度の増築が求められました。
全く想定をしていなかった増築にあたり、既存の開口部からの眺望を損なわず、外観の面ごとに異なる印象を踏襲できる場所の選択肢はほとんどないように思われました。
歩留まりの悪さをカバーするためにはできるだけ表面積を小さくし工種も限定することが有効に思われ、凍結深度まで沈める半地下とし、基礎を兼ねたコンクリート壁の上に屋根のみ木造となるボリュームを一期工事西面の高窓下の外壁に寄り添わせることにしました。
既存の外壁は、一般的な基礎高さから上部が木構造だった為、二期工事で平行に立ち上がるRC壁が既存外壁の通気を妨げたり、打設時の負荷あるいは地震時の異なる挙動などをもたらすことに配慮し、新旧の躯体間にはスタイロフォームを挟み構造的に縁を切ると共に、新しいRC壁は既存基礎高さにできるだけ合わせて低く抑えることとしました。
一方、新旧外壁の間に谷状の部分を生じさせるのは積雪や雨仕舞上のリスクとなるため、二期工事の屋根は既存の高窓の水切り下部を全面的に覆う勾配としつつ、低く抑えたRC壁から斜めに立ち上がる木造トラス柱で支持させることとしました。
既存壁との間はポリカーボネート波板のトップライトを持つ三角断面のエキスパンションスペースと位置づけ、トップライトも二期工事屋根の垂木を延長し一期工事外壁とは構造的には縁を切っています。 このスペースは構造上のみならず、温熱環境的にもよい緩衝帯とも、また自然光の増幅装置ともなります。
結果的に全体形としては一期の方針を踏襲し、カーポート側の屋根と呼応する台形の屋根が外観上の特徴をもたらしつつ、半地下で既存棟の外壁に面しながらトップライト越しに空模様の移ろいと明るさを存分に感じる、外部との距離感について既存部にはない新しい空間体験のできる場所を得ることができたように思います。
©2021 Chika Kijima