Large and small windows
大小の窓

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Building Area:
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Completed:
Architects:
Co.Architects:
Structural Eng.:
Constructor:
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Award
建築学会 作品選集2006

Publication
『新建築住宅特集』2004年10月号

Description

祖母+父+娘、息子夫婦+孫の2世帯4世代のための鉄骨造の住宅です。

6人それぞれの居場所と2台分の駐車スペースを確保するためには容積率不算入とできる地階をフル活用したい一方、長手方向に緩い傾斜のある角地は上階でも思わぬところで歩行者や隣人と目線が合いがちな点が課題となりました。

地面より低い処にどれだけ居心地のよい場を設けられるかを追求した結果、長手両側面にドライエリアを設け、広間の天井高さを確保して、土に接する面以外は全面的にガラス張りの大きな窓とすることで明るさと風通しのよさを確保した下階住戸と、レッドシダー張りの木箱の外周はスリット状の小さな窓にとどめ宙に浮いた中庭からプロフィリットガラス越しに自然光を採り入れる上階住戸という構成を提案しました。ドライエリアと道路との境には光だけでなく人や車のシルエットもやわらかく伝達する中空ポリカーボネト板の塀を設けました。

建物全体は高さの異なる7枚のスラブが木造住宅とほぼ同じサイズ感の100角H鋼の柱でギザギザと斜めに紡がれ、住宅としては複雑で高さもある割にはとても軽やかな構成です。

ガラス面の多さやコンクリートや鉄のヒートブリッジなど熱負荷的に不利になりがちな地階はPS輻射暖房パネルを開口沿いに配置し、ペリメータ対策をしつつ床スラブも輻射で温めることで対処しました。

上下の住戸は窓の大きさや外部との関係だけでなく、地階はフラットでバリアフリー、建具を引けば全体でワンルーム状となる間取りに対し、上階はスキップフロアで個室の独立性の高い構成という点でも対比的で、世帯住人の年齢に応じて適宜居場所を選択交換しながら住み繋ぎ住みこなしていただく想定です。

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