House of Sangenjaya
三軒茶屋の家

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Completed:
Architects:
Co.Architects:
Structural Eng.:
Constructor:
Sekka Glass:
Photo:

Description

3間足らずの間口に対し東西の奥行きがおよそ7間と細長い敷地に高齢のお母様と二人で暮らすための住宅です。

南隣地側には先行して3階建てが新築中で、西側道路に面する間口は駐車スペースと玄関でいっぱいにならざるを得ない環境条件は、都内の建売住宅などでも珍しくありませんが、規模が小さくスケールメリットがない上に、地盤も悪く、また構造バランス的にも長手側面で受ける力への対抗する必要度の高い中で、少しでもコストを抑え少しでも広々と暮らせる工夫が求められました。

プライバシーを確保しつつ、1階を中心に生活するお母様も陽の光や空の移ろいを楽しめるよう、そして明るさを増幅させるだけでなく、季節や時刻の経過を意識しやすいよう、まずは吹き抜け、高窓、天窓など必要最小限の窓の位置と大きさを厳選しました。

その上でテラスの手すり壁や欄間、表札などに「雪花硝子」という結晶化アート再生硝子を採用し、複雑で繊細な透明感のある影を開口部の周囲にまとわせました。

部分的に1間強にまで絞られる間口に対し2.5層分の高さ吹き抜けるプロポーションや、その中に細かいピッチで表しとなる梁が、遠近感や上下の感覚を揺さぶり、20坪にとどまらない大らかさをもたらしています。

©2021 Chika Kijima